ネギま!?

2007年3月3日、パシフィコ横浜国立大ホールで、「ネギま!? Princess Festival」が盛大に催された。当日は、朝10時から「ネギま！？Princess Market」が会場内のエントランスホールで開催。物販コーナーや、大麻帆良祭のライブDVDの上映、赤松先生の原画展示、大麻帆良祭からクリスマスイベントまでの衣装展示など盛りだくさんの内容で、イベントのムードをより一層盛りあげていた。
また会場の周辺には、作中で使用されたチュパカブラTシャツ(チュパＴ）や、1話で明日菜が着たハッピを着用したファンが多数見られるなど、イベント開始前から開場を待ちわびる人々の熱気があふれていた。

【本日出席の生徒及び教員名簿】

木村まどか(2番：明石裕奈）
笹川亜矢奈(3番：朝倉和美）
桑谷夏子(4番：綾瀬夕映）
山川琴美(5番：和泉亜子）
浅倉杏美(6番：大河内アキラ）
神田朱未(8番：神楽坂明日菜）
板東愛(9番：春日美空）
渡辺明乃(10番：絡繰茶々丸）
出口茉美(11番：釘宮円）
Hazuki(12番：古菲）
野中藍(13番：近衛木乃香）
石毛佐和(14番：早乙女ハルナ）
小林ゆう(15番：桜咲刹那）
堀江由衣(16番：佐々木まき絵）

佐久間未帆(18番：龍宮真名）
高本めぐみ(19番：超鈴音）
白石涼子(20番：長瀬楓）
小林美佐(21番：那波千鶴）
こやまきみこ(22番：鳴滝風香）
狩野茉莉(23番：鳴滝史伽）
志村由美(25番：長谷川千雨）
松岡由貴(26番：エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル）
相沢舞(28番：村上夏美）
皆川純子(29番：雪広あやか）
井ノ上ナオミ(30番：四葉五月）
佐藤利奈(担任：ネギ・スプリングフィールド）


開演と同時に場内の照明が落されると、ステージ上にはローブを羽織り、サウザントマスターの杖をもったネギ・スプリングフィールド役の佐藤利奈さんが登場。佐藤さんが杖を一振りすると右側のトーチに炎が燃え上がり、もう一振りすると左側にも炎がともる。そして杖を上に向けると後ろから大きな魔法陣がせり上がり、いよいよ「ネギま!? Princess Festival」の幕があがる……。

オープニングを飾るのは、やっぱりこの曲「1000％SPARKING！」。まずは佐藤さん、神楽坂明日菜役・神田朱未さん、桜咲刹那役・小林ゆうさん、近衛木乃香役・野中藍さんが1番の歌と2番の台詞を披露、続いて雪広あやか役・皆川純子さん、古菲役・Hazukiさん、佐々木まき絵役・堀江由衣さんが登場、客席からひときわ大きな歓声が上がる。
そして、図書館探検部の綾瀬夕映役・桑谷夏子さん、早乙女ハルナ役・石毛佐和さん、さんぽ部の長瀬楓役・白石涼子さん、鳴滝風香役のこやまきみこさん、鳴滝史伽役・狩野茉莉さん、運動部の明石裕奈役・木村まどかさん、春日美空役・坂東愛さん、和泉亜子役・山川琴美さん、大河内アキラ役・浅倉杏美さんが次々と登場する。
さらに、茶道部のエヴァンジェリン役・松岡由貴さん、絡繰茶々丸役・渡辺明乃さん、天文部の那波千鶴役・小林美佐さん、村上夏美役・相沢舞さん、ちうこと長谷川千雨役・志村由美さん、龍宮真名役・佐久間未帆さん、釘宮円役・出口茉美さんがステージに現れ、それぞれ歌声を披露していく。
最後にお料理研究会の超鈴音役・高本めぐみさん、四葉五月役の井ノ上ナオミさん、新聞部の朝倉和美役・笹川亜矢奈さんがラストまで歌って、歌のリレーは完結。出演者全員の歌声を、開始早々に堪能することができた。


		キャストが総出演したオープニングの余韻が醒めやらぬ中、ステージ上段のひな壇にピンク色の可愛らしいワンピースに身をつつんだ神田さんが今度は登場。前向きな明日菜をイメージさせる「ココロザシ成長中☆」を熱唱する。神田さんの「ハロー、パシフィコ横浜ー！　みんな、最後までついて来てねー！」という呼びかけに対して観客も元気よく返答。キャストと観客の一体感が高まる。

続いて、「ハーイ！　みんなのアイドルちぅちぅでーす！」とかわいいちうの声が会場に響きわたると、ちうのラジオミニドラマ風前口上がスタート。ちうはラジオ風にリスナーからの質問に答えようとするが、キスについて教えてくださいというリスナーからの質問をはぐらかし、代わりに千雨の歌を紹介する。そこから千雨のキャラクターソング「イジワルな唇」がスタート。ちょっと大人っぽい雰囲気の中で、これまでのちうとガラッと変わった声で千雨の歌を歌いあげる。志村さんの後ろにはバックダンサーとして、相沢さんと小林美佐さんがついてサポートしていた。

次に、エヴァと同じ黒い衣装で松岡由貴さんが登場。会場から「エヴァさまー！」「由貴さーん」などの熱烈なファンからの声が飛ぶ。そんな観客の声に応えるように、松岡さんはエヴァの切ない想いや寂しさをしぼりだすような歌い方で「Re-born」を観客に届ける。

松岡さんの次に登場したのは、松岡さんと対照的な白い魔法使いのローブを着た佐藤さん。ローブをひるがえしながら「montage～まだ見ぬ僕へ～」を歌うと、佐藤さんのカッコよさに客席から感嘆の声があがる。

ここで、イベントは朗読劇へ。昨年12月10日に行われた「Magical X'mas」から取り入れられたこの朗読劇は、「ネギま!?」から始まった新たな試み。今回の内容は、卒業前の期末試験で明日菜、夕映、楓、古菲、まき絵のバカレンジャー5人の点数があまりに低かったため、高等部へ進学できないかも知れない、というところから始まる。
まずは佐藤さんと皆川さんが登場、神棚の前で悩むネギに、あやかが悩みを聞きだそうとする。なかなか悩みを打ち明けないネギに、自分におまかせてくださいと迫るあやか。ネギから悩みを聞いたあやかは、ネギに奇跡をあきらめないでくださいと諭す。
そして皆川さんは佐藤さんの手を取ると、「永遠のときを越えて」を歌いだす。佐藤さんと離れ、皆川さん1人になると、ステージをところせましと走りまわり観客を煽る皆川さんは、アドリブを加えながら、朗読劇で落ち着いた客席のテンションをまた盛り上げていった。

続いて、神田さん、白石さん、こやまさん、狩野さん、木村さん、石毛さんのチュパ研の面々が全員色違いのチュパカブラＴシャツを着て登場。「チュパ研の唄～きっと、いルーンヤ～」を披露する。前の人の肩をつかみ、電車ごっこのようにつながったまま行進するというコミカルな振り付けで、6人が舞台上をにぎやかに動きまわっていた。

そして再びステージが劇へと変わると、バカレンジャーの面々が期末テストに向けて補習の真っ最中。ステージ上にいるキャストは、役になりきっているため台詞に合わせて体が動いてしまうようで、神田さんが怒ってホッペを膨らます姿や、堀江さんがペンギンのように手を広げる仕草がとても可愛らしい。
あやかはバカレンジャーの件を相談するために、木乃香と刹那に話しかけるも、話の途中で2人が着ていた衣装に気をとられてしまう。そしてそのまま、野中さんと小林ゆうさんは、2人のキャラクターソング「Never give up!」へ。ひな祭りにちなんで、お姫様風の赤いドレスを着た野中さんと小林さんの可愛らしい姿に、客席から「あいぽんサイコー」「ゆうさん可愛いー」などの歓声が飛びかう。振りつけも、野中さんと小林ゆうさんがお互いの手を合わせたり、背中合わせになったりと、2人の仲の良さを印象づけるような内容。曲の間奏では刹那が「お綺麗です。お嬢様」「せっちゃんこそ」と互いを褒めあうなど、かなりの相思相愛ムードで、終始見つめ合い笑顔で歌う姿が印象的だった。

朗読劇は進み、3-Aの教室であやかがバカレンジャーの落第問題について、千鶴に相談するシーンへ。夏美は千鶴と一緒に問題を解決しようとするが、いつものように千鶴に軽くあしらわれ、お約束の「ちづ姉、意味わかんないよ～」のセリフが飛び出す。

この掛け合いに客席が盛り上がると、その盛り上がりを引き継ぐように、「ポジティブ！アクティブ！モロジブン！」がスタート！　曲の頭からハイテンションな小林美佐さんとは対照的に、相沢さんは自信なさげな様子。そんな相沢さんを小林さんがヘンなポーズで翻弄し、舞台を叫びながら跳ねまくる。小林美佐さんのテンションにつられるように、観客席のボルテージも上がっていったぞ。

小林美佐さんの高いテンションの余韻がまだ残っている会場に、裕奈、亜子、美空、アキラの4人が登場。進級が危うい人間がいることを聞いた4人は「バカレンジャー」かと口をそろえて指摘。すると、舞台の上段にそれぞれのイメージカラーと同じ色のネクタイを首にまいたバカレンジャーが登場！　変身ポーズを決めたあと、「戦えバカレンジャー」を熱唱。最後も戦隊ものっぽいキメポーズで締めていた。

劇が進み、バカレンジャーの補習にエヴァと茶々丸も参加することが決定。それを受けて、松岡さんと渡辺さんが扇子を持って登場。日本舞踊を思わせるような優雅な振り付けで「日本の心」を歌う。間奏中、アニメと同じようにラーメンを食べる仕草をしながら「日本の心が五臓六腑に染み渡る～」と口上を入れる松岡さん。その声にあわせて、客席から再び「エヴァさまー！！」の大声援が飛んだ。曲の最後は扇子をクルクル回して締めなのだが、興が乗ったのか2人は、曲が終わっても扇子を回し続ける。そんな2人に「いつもよりよぅ回っとるなぁ～」とアドリブを入れる野中さん。まるでコントの合いの手のような見事な掛け合いに会場はどっと沸いていた。

ここから再び物語に戻り、期末試験で平均点以上を取らないと高等部へ進級できないことがバカレンジャーの耳にもついに入る。慌てるまき絵にあやかは、「佐々木まき絵失格ですわ！！」とおなじみのフレーズを言い放つ。それを聞いたまき絵は「がーん……」と大ショック。ガックリと肩を落とすまき絵の演技を披露した堀江さんに観客から「ほっちゃんかわいいよー」など喝采が巻き起こった。
するとそこへ、ハルナ、超音、史伽、風香がやってきて、今回の卒業式で、期末試験の学年トップのクラスから1名が、プリンセスに選ばれることをクラスメイトに教える。しかも、プリンセスを選ぶのがネギ先生だとわかると、それまでやる気のなかったクラスメイトたちが、プリンセスに選ばれるため、急にバカレンジャーを鍛え上げることにやる気をだす。単独トップをとるために、皆がそれぞれ分担してバカレンジャーを鍛え上げる計画を練り上げていく。

あまりに成績が悪く、真名に「お前の脳は“覚える”という作業を忘れている」と言われる明日菜。亜子、美空、アキラ、裕奈の5人に銃口を突きつけられながら補習を受けるハメに……。「問題を一問間違えるたびに、ひとりずつ引き金を引く」と真名に告げられた明日菜が「ギャーッ！」と悲鳴をあげて舞台は暗転。
舞台は変わって次は楓。彼女は木乃香と刹那たちに補習を受けることに。楓が問題を間違えるごとに刹那は竹刀で叩きのめすというが、その手に持っているのは何故か真剣！　それを木乃香に指摘され慌てて剣を鞘に収めようとする刹那だが、剣が上手く鞘に収まらず、手に当たってしまう。すると小林ゆうさんは「あっ痛ッ、剣が手に刺さった。痛い痛い。剣が入りません」とアドリブ。客席の笑いを誘う。
また舞台は変わって、夕映とまき絵はあやかの趣味のネギ君グッズを着させられての補習。問題を間違えると、和美に恥ずかしい写真を撮影してばらまくと脅される。最後の古菲は、エヴァと茶々丸に、ラーメンを餌に勉強をさせられるはめに。問題を間違えるとラーメンがどんどん食べられなくなるぞ、と無理矢理勉強させられる。

クラスのみんながバカレンジャーの補習を進めていくなかで、ネギはひとり、夜の教室で悩んでいた。自分の教え方が悪いせいで、バカレンジャーの成績があがらかったのではないか、と考えていたのだ。そんなネギに五月が声をかけ、自分なりに協力すると励ます。

そのあと「出席番号のうた」が流れ、大麻帆良祭など過去のイベントの模様や楽屋風景などがスクリーンに映しだされる。声優さんの映像にあわせて、客席から名前のコールがわき起こる。場内の雰囲気が盛り上がる中、バカレンジャーが、今度はそれぞれのカラーに合わせたエナメルスカートを身にまとって登場。バカレンジャーとは思えないカッコイイ振り付けで「マホラ戦隊バカレンジャー」を熱唱する。
そして劇に戻り、補習を受けてグッタリのバカレンジャーの面々。そこに五月がスペシャルメニューをもって応援にやってくる。五月は他のクラスメイトたちも呼び込み、ここからバカレンジャーを応援するための、クラスメイトによる歌メドレーが披露されていく。
まず最初は、円、五月、和美、刹那、真名による「ポンポンを両手にあればWin」。続いて、裕奈、亜子、アキラによる「GLOW WILD」。そして真名、刹那、古菲、楓の「KIZUNA」、和美、エヴァ、茶々丸、古菲、夕映の「a precious pride」と続き、最後は明日菜の「おはよう！」がメドレーのトリを飾る。これまで歌っていたクラスメイトが明日菜を向かえ、そのままバックダンサーに。ステージ上はにぎやかな雰囲気につつまれ、最後はセンターに集まってかわいくポーズを決める。歌でクラスメイトの気持ちがひとつになり、改めて補習に取り組むことを決意する。

歌メドレーで温まった客席の雰囲気を引き継いで、赤いタータンチェックのワンピースにエプロンをつけた井ノ上さんと、井ノ上さんと色違いの黄色の衣装を身に着けた高本さんが登場。「GO！GO！マイスターズ」を手と手を取り合ったり仲のよさそうな振り付けで歌いあげる。

続いて、ホイッスルの音が会場に響き渡ると、白石さん、こやまさん、狩野さんによる「気まぐれ行進曲♪」が始まる。行進しているような振りや、なにかを探しているような仕草をしながら、明るく元気に歌う3人は、客席に手を振って歓声に応えていた。

明るい2曲の後は、ステージは青白い照明に照らされ、一転沈鬱なイメージへ。ひな壇上には、紺のドレスに黒いブーツを身にまとった大人っぽい雰囲気の桑谷さんが登場。メランコリーな曲調の「真夜中のPhilosphy」を哀切な歌声で歌い上げる。のどかの友情と自分の恋心に悩む夕映のもどかしさや悲しみが伝わってくるような桑谷さんの歌に、会場は切ない雰囲気に包まれた。

ここで、「ネギま!? 春」・「ネギま!? 夏」のアニメ映像をはさみ、物語はクライマックスへ。期末試験の結果が発表され、バカレンジャーは見事進級。しかし、学年トップの座は逃していまい、プリンセスには誰も選ばれなかった。ここであやかがプリンセスになれないのなら、ネギをプリンスとして迎え卒業パーティーを開くことを提案。その一言をきっかけに、ほかのクラスメイトも巻き込んでネギ君争奪戦が開始される。思わぬ展開に困惑するネギを明日菜が「ネギコッチよ、逃げるわよっ！」とこっそり呼び、2人でクラスメイトの輪から脱出をする。それを見たクラスメイトが「ネギくんが逃げたー！」とネギと明日菜を追って、次の歌へ。鮮やかな緑色の上着にスカート姿の神田さん、黒のショートパンツ姿の佐藤さんがひな壇の上に現れると、ネギと明日菜の仲の良さが表れた「Let's play with your Dream！」を熱唱する。リズミカルな曲にあわせて、客席もノリノリに。

続いて、明日菜とあやかの友情をテーマにした「Sugar Memory」へ。神田さんは早替えでさっきまで着ていた緑色の洋服から、デニムのミニスカートの衣装へ。皆川さんは神田さんと対照的なデニムのロングスカートで登場。いつもの明日菜とあやからしく、口げんかをするものの、最後には一緒に仲よく手を繋いで退場するという心憎い演出に、ファンも手を叩いて喜んでいた。

まだまだライブは止まらない。次は山川さん、浅倉さん、板東さん、木村さんの運動部4人組による「Infinity Love 2U」は、聞く側が思わずリズムを刻みたくなるようなダンサブルなナンバー。全員ハーフパンツ姿の活動的な衣装で、難しい振り付けを息のあった動きでこなしていく。

その後には、キュートなナンバー「らぶ☆センセイション」。神田さん、野中さん、佐藤さんの3人がかわいい曲に合わせ腰をフリフリさせる踊りに、思わず客席から「かわいい」と盛んに声が飛んでいた。

可愛らしさには美しさで対抗。お次はピンクのワンピース姿にティアラを頭に載せ、まるでシンデレラみたいな衣装を着た笹川さん、小林美佐さん、相沢さんが登場。3人は「Girls,be ambitious～シンデレラになろうよ～」をしっとりと歌いあげ、観客は彼女たちの姿に見とれ、歌声に聞き惚れていた。

そして、イベントもいよいよ終盤。神田さんがターコイズブルーのロングドレスでひな壇から登場。ステージの中央で、明日菜のやさしさを表現するように、「星空レター」をやさしい歌声で歌う。しかし、曲の最後にきて感極まって涙ぐんでしまった神田さん。客席から「ガンバレー」の大声援がおこり、その温かい声援に背中を押されながら頑張って曲を歌いきる。ファンとキャストの3年間の長い時間ではぐくまれた信頼関係が生み出した感動的な光景だった。

神田さんの涙に、終幕を感じてしんみりとした空気に包まれる会場。そんな空気を吹きとばすように、「A-LY-YA！」のイントロが流れ出す。出演者全員がそれぞれデザインの異なる純白の衣装に身をつつみ、チームごとに順々に登場。ひな壇の上に並んでいく。最後に登場した佐藤さんと神田さんが「みんな最後の曲だよ。一緒に歌ってねー」とファンに呼びかけると、ファンもそれに負けないくらい元気な声で答える。
そしてキャストと観客が揃って「A-LY-YA」を大熱唱し、佐藤さんが最後に「どうもありがとー」とファンに挨拶すると、楽しかった「ネギま!? Princess Festival」は終了した。

すると、この楽しい時間が終わってほしくないとばかりに、客席のいたるところからアンコールの声があがる。大きな波のように会場全体に広がっていくアンコールの声が舞台裏にいるキャストの心に届いたのか、ついにキャストが再びステージに登場。すると、これまでで一番の歓声が客席から地鳴りのようにあがった。

大歓声に迎えられた出演者は、全員で「ネギま」の象徴ともいえる「ハッピー☆マテリアル」を歌いはじめる。銀色のテープが客席に降り注ぎ、各チームが１小節づつを３年間のチームワークを確かめるように歌いつなでいく。最後はみんなで揃っての大合唱。
そして、佐藤さんが観客に向かって「名残おしいけど、次が本当にラストの曲です。みんな一緒に、歌って、踊って、弾んでください」とあいさつをする。佐藤さんの発言に客席から「終わらないでくれー」と悲鳴に似たような声があがる。
そんな声を心に受け止めながら、キャスト全員は「1000％SPERKING!」を歌いだす。佐藤さんとの約束を守るかのように、イントロから観客も最後の曲に全ての力をぶつけ、盛り上がりも最高潮！　２番では各グループごとに、手を振って客席におじぎをして、ファンに感謝の気持ちをあらわしていた。歌が終わってもしばらく鳴り止まない歓声。

しかし、楽しかった時間もついに終わりの時を迎えようとしていた。ステージにずらりと並んだキャストは、ひとりひとり順にあいさつをしていく。

「今日はホントに楽しい時間をありがとうございました」（出口茉美さん）

続いてマイクを握った志村さんはちうの声でであいさつ。

「今日はありがとうございましたー」（志村由美さん）

キャストが言葉を発するたびに、キャストと会話しているかのように客席は大歓声で答える。

「皆さん今日は盛り上がりましたか？　本当に楽しかったです。ホントにどうもありがとうございました」（佐久間美帆）

「今日は本当にありがとうございました」（相沢舞さん）

「今日は私、たくさん飛べたかな？　ホントに感無量です。どうもありがとうございました」（小林美佐さん）

小林さんの問いかけに客席は「とべたー」と大合唱。

「今日はみんな楽しめましたかぁー？　最後、凄く興奮して美佐ちゃんにバーンと当たっちゃいました(笑)」（狩野茉莉さん）

「三階席の皆さん、二階席の皆さん、一階席の皆さん、楽しめましたか？　私はすごく楽しかったです」（こやまきみこさん）

「皆さん汗かきましたか？　私が一番かいたと思います。楓がこんなにたくさん歌を歌うとはビックリしました。バタバタして、色んなお芝居をして、歌を歌ったり、後バカレンジャーになれたり、すごく楽しかったです。本当にありがとうございました」（白石涼子さん）

白石さんのコメントが終わった後も歓声は鳴り止まない。

「皆さん今日は楽しんでもらえましたでしょうか？　今日来てくださった皆さん、共演者の皆さん、スタッフの皆さん、本当に楽しい思い出をありがとうございました」（Hazukiさん）

「ネギ君最高！明日菜最高！バカレンジャー最高！このクラスメイトみんなが？」（堀江由衣さん）

堀江さんのこの問いかけに、客席はモチロン「最高！」と答える。
そして皆川さんは客席に向かって、大麻帆良祭と同じ“あの”問いかけをする。

「皆さん、あれやっていいですか？　五千人の野太い声で純子って呼んでほしいの、せ～の」
「じゅんこ～!!」（観客一同）

皆川さんの合図で4000人の観客が「じゅんこ」コールを返す。4000人の声をひとりじめにした皆川さんは「皆さんのこと愛してます。ありがとうございました」とファンにお礼を述べる。

最後にもかかわらず、まるで次があるかのような明るく楽しいあいさつが続いていく。
ところが、小林ゆうさんの、このあいさつから会場の雰囲気が徐々に愁いを帯びたものへと変わっていく……。

「15番桜咲刹那、と言うのも最後かもしれないと思って……今まで応援していただいた皆様にありがとうございます。次は、大好きなお嬢様にバトンを渡したいと思います。木乃香お嬢様どうぞ」（小林ゆうさん）

刹那の口調で、野中藍さんにマイクを渡す小林ゆうさん。

「なんか今日、朝から一つ一つが終わっていくのが、すごく……神田さんやうりょっち（白石さん）とお弁当を食べることができなくなっちゃったりとか、ゆうちゃんと一緒に舞台に立つことも出られなくなると思うとすごく寂しくて……。でもすごい神田さんが笑っていたので、最後までちゃんと笑って終わりたいと思います」」（野中藍さん）

コメントの最中に感極まって泣いてしまう野中さん。それを見た観客は野中さんを励まそうと「泣くなー」と声を張り上げて声援を送る。観客の声援に支えられ、最後は笑顔でコメントをする野中さん。キャストの中にも、野中さんにつられて泣きだす姿がちらほらと。

「こうやって名前を呼んでくれるみんなも、泣いちゃうみんなも大好きですありがとうございました」（石毛佐和さん）

「練習大変だったですぅー」
夕映の声でコメントする桑谷さん。この粋な計らいに客席は大喜び。そして桑谷さんは自身の口調に戻って観客に感謝の言葉を述べる。
「でも今日はみんなが応援してくれて、本当に楽しかったです。ホントにありがとうございました」（桑谷夏子さん）

「皆さんと、こんなステキな時間が過ごせてすごく幸せに思いました」（山川琴美さん）

「3階席のみなさーん、2階席のみなさーん、そして1階席のみなさーん、今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました」（板東愛さん）

キャストが思い思いの言葉で、自分の思いを伝えていく。

「すごい練習が大変だったんですけど、すごい練習で泣いたんですけど、泣いた分だけ笑って、今日、皆さんと楽しい時間を過ごせたので、ホントよかったです」（浅倉杏美さん）

浅倉さんは、観客の歓声を受けて泣き出してしまう。

「皆さん楽しんでいただけましたか？楽しくすごせたのは、一緒にリハーサルをやったキャストの皆さんとスタッフの皆さん、そして、今日ここに集まってくださったみなさんのおかげだと思っています。ホントにありがとうございました」（木村まどかさん）

「正直、僕のところでワァーってなってくれてものすごいうれしいです。ただ、先ほどA-LA-YA!を歌っている時に、足をグギってやってしまって、若干痛いです。なんとか、本番は一度もフリを間違えずに踊れましたー！　間違いなくみなさんのおかげです。また会いましょうね。ありがとうございました」（渡辺明乃さん）

今までのキャストと違った明るいコメントをする渡辺さん。そんな渡辺さんのコメントにしんみりしだした客席が和む。

しかし松岡さんのコメントで、客席は再びしんみりした雰囲気に。

「まさか自分がこんなにうるっとくるとは思いませんでした。3年間、本当にみんなありがとう。今日のアタシの気持ちを聞いてください。すっごい気持ちよかったーーー！！　みなさんホントにどうもありがとー!!」（松岡由貴さん）

客席に向けて松岡さんは、目に涙を浮かべながら、大きな声で感謝の気持ちをあらわした。

「みなさーん元気ですかぁー。『ネギま!?』大好きですかぁー？　肉まん大好きですか？肉まん30個食べてください。この空間が終わってしまうのがすごく寂しいんですけど、今日は本当にありがとうございました」（井ノ上ナオミさん）

五月役の井上さんらしいあいさつ。

「三日前から震えがきていて、大変だったんです。みなさん、支えていただいてありがとうございました。応援の声がちゃんと届いてました。このクラスに入れてホントによかったです。ありがとうございました」（高本めぐみさん）

コメントの最後でこらえきれず思わず泣いてしまった、高本さん。

「泣くな、私も我慢するから」
泣いている高本さんを励ます笹川さん。でも自分も涙ぐみながらあいさつをする。

「今日はさりげなく、髪型を和美ちんの真似をしてみました。DVDを買って確認してみてください」（笹川亜矢奈さん）

そして神田さんの番になると客席から「明日菜さーん」「ありがとー」という声が。

「不器用な明日菜がすごく好きです。そして、クラスメイトがすごく好きです。『ネギま!?』を応援してくださる皆さん、スタッフの皆さん、本当に大好きです。長い間ホントにどうもありがとうございました」（神田朱未さん）

泣きそうになりながらも涙をこらえ、自分の言葉でファンに感謝の気持ちを述べる神田さん。ステージは大きな歓声に包まれる。

そして、いよいよ最後の佐藤さんの番に。

「これだけたくさんの方に愛していただける作品に携われたことが、本当にうれしくて……。もちろん大変なこともたくさんあったんですけど、みんながいてくれて、クラスの皆さんがいてくれて、このイベントがこういう風に盛り上がったんじゃないかなぁーと思います。ここにいらっしゃる全てのみなさんにありがとうと伝えたいです。どうもありがとう」（佐藤利奈さん）

佐藤さんはコメントを終えた後、感極まったのかなかなか話せないでいた。そんな佐藤さんを、これまで一緒にネギまを支えてきたファンの温かい声が励ます。

キャスト全てのコメントが終わり、楽しかった「ネギま!? Princess Festival」もついにフィナーレのときをむかえる。キャスト同士が手を繋ぎ、観客もキャストの呼びかけで隣の人と手を繋ぎあって、両手を高々とあげ、みんなでお辞儀をしてイベントの成功を分かち合った。
そして「輝く君へ」を全員で歌いながらキャストは、客席に向かって手を振り、互いにハイタッチをしたり抱擁したりやらしながら、ひとり、またひとりとステージを去っていく。客席もそれにこたえるように、出演者ひとりひとりを拍手で見送る。
最後に神田さんとハイタッチをしてひとり残った佐藤さんが客席に深々と頭を下げ、右手を上にあげ、指を鳴らすと舞台全体の照明が落ち、「ネギま!? Princess Festival」は盛況のうちに幕を閉じたのだった。

客席では全てのステージが終わってもみんな興奮冷めやらぬ様子。「『ネギま!?』サイコー！」「みんなありがとー！」などファンが自分の思いを叫んでいたり、客席が自発的に全体で三本締めをしている姿が印象的だった。会場の外にも満足げな顔をしたファンの姿をみると、「ネギま!?」がファンに与えた影響はとっても大きなものだったと感じる。願わくば「ネギま!? Princess Festival」が、そして「ネギま!?」が、いつまでもファンの心に残りますように。